エイサー太鼓・沖縄空手舞踊愛好会「シャルレモリモトファミリーズ」(森本兼史代表)の15周年記念公演が9月13日、和歌山市の市民会館で開催される。エイサー太鼓・空手舞踊など沖縄に古くから伝わる芸能を披露。多くの来場を呼び掛けている。チケットは全席自由で1700円。午後1時開場、2時開演。
- 2014年10月 スイス・ベルン公演の様子
シャルレモリモトファミリーズとは、女性用下着を中心とした衣料商社㈱シャルレ(兵庫県神戸市)の代理店㈱シャルレモリモト(新宮市)の社員と特約店らの家族で構成されている。
以前から仕事での付き合いだけではなく、皆で一緒に取り組めるものはないかと考えていたところ、社員旅行で沖縄へ行った時に伝統芸能のエイサー太鼓に出合った。その迫力に魅了されたことがきっかけで、沖縄の伝統芸能に取り組むことにし、平成12年2月に11人でシャルレモリモトファミリーズを結成した。
主な活動として、県内の福祉施設への訪問や、紀州よさこい祭りなどの各イベントへの参加。18年には米国ホノルルフェスティバル民間親善大使として参加したり、19年には日中国交正常化35周年記念イベント上海公演の公式訪問団として参加するなど、活躍し、メンバーは現在では300人にまで増えている。
同グループは、エイサーの指導者に沖縄県出身の新垣盛吉さんを招いてスタート。なじみのない沖縄独特の音楽のリズムや歌を聴きながらの練習は、リズムをつかむまでは大変な道のりだった。
しかし、子どもからお年寄りまで幅広い構成で、みんな家族のように絆が深く、何事にもプラス思考で取り組むという方針に基づき、演奏(演武)は日々上達している。
当初はメンバーの中には自信のなさから何をするにも消極的で悩んでいた人もいた。不登校であったり、引きこもりであったり。しかし、家族や仲間たちで共通の目標を持つことにより少しずつ上達するにつれ、自信を持ち積極的になった。みんなの輪の中で明るく練習するようになったり、年配のメンバーには運動不足やストレスの解消にも役立っているという。
難病を乗り越えて メンバーの小西さん
メンバーの一人、小西政志さんは、難病に指定されている「特発性拡張型心筋症」を患い、心臓移植手術を受けた。術後の10年生存率は50%といわれるが、術後16年たった今も元気に活動している。
手術が成功してもしばらくはマイナス思考が続いていたが、沖縄芸能が好きだったことがきっかけで、シャルレモリモトファミリーズのメンバーに。
仲間との励ましや元気をもらい、プラス思考に転向した。「80歳でエイサー太鼓をたたきたい。孫の顔も見たいですね」と瞳を輝かせている。