昭和46年の黒潮国体当時、サッカー高校の部に出場した選手ら5人が27日、和歌山市の西松江緑地に集まり、「紀の国わかやま国体」サッカー少年男子の部に出場する県選抜メンバー(中学3年~高校2年)ら20人を激励した。
駆け付けたのは、当時監督を務めた県サッカー協会の室紀男会長(74)、主将だった加藤信明さん(61)、選手の赤羽常雄さん(62)、八木実さん(62)、松原健志さん(62)の5人。2年前に室会長を囲んで集まった際、今回の国体選手らを激励に行こうと決めていた。
室会長は選手らを前に、「3回戦抽選負けで、ベスト4目前で悔しい涙を流したのが、きのうのことのよう」と当時を振り返り、「その時の友情はいまだに生きており、君たちも今回の経験は人生の大きな財産になる。お尻のほくろが分かるくらいの仲になれ。それがサッカーそのものに生きてくる」とあいさつ。
加藤さんも「右利きか左利きか、何が得意か、みんなの癖を知れ。相手から取りにくくて味方が取りやすいパスにつながる」とコミュニケーションの大切さを訴え、「県民挙げて期待している」「1試合でも多く勝てるように頑張って」とエールを送った。
室会長から金一封が中村大吾監督(41)に手渡され、和歌山北高2年の和田広矢主将(16)は「選手全員で国体優勝を目指して頑張るので、応援よろしくお願いします」と謝辞を述べた。
その後、メンバーの練習を見学した室会長は、黒潮国体当時をほうふつさせるような熱血指導ぶりを披露。「『勝ちたい』やない、『勝つ』んや!」「練習が甘い! まだまだ伸びる余地がいっぱいある」などと声を張り上げ、選手たちは真剣なまなざしで大先輩のアドバイスを聴いていた。