文部科学省は25日、4月に小学6年生と中学3年生を対象に実施した平成27年度「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果を公表した。県内は昨年度、小中ともに全科目で平均正答率が全国平均を下回ったが、今回は小学校の算数Aが全国平均を上回り、中学校では数学Aが全国平均程度になった。
全国学力テストは児童・生徒の学習状況を把握・分析し、教育指導の充実や学習状況の改善のために19年度から行っており、今回は24年度からおおむね3年ごとに行うとしている理科も実施された。
県内は小学校242校、中学校127校のそれぞれ約8000人が受験。国語と算数・数学は主に知識に関する問題からなる「A」と、応用力を問う「B」に分けてテストし、理科は基本的な知識と応用力を一体的に問うテストとした。
県内の平均正答率と全国平均との差を見ると、小学校は算数Aが全国平均を0・4上回り、国語A・Bと算数Bはやや下回ったものの全国平均程度、理科がマイナス1・8で最も全国平均との差が大きかった。
中学校は数学Aがマイナス0・4で全国平均並みの他はいずれも下回り、国語Aがマイナス2・4、国語Bがマイナス2・9、数学Bがマイナス2・0、理科がマイナス2・9だった。
同時に行った児童生徒へのアンケート調査では、「授業のはじめに目標(めあて・ねらい)が示されていたと思いますか」の問いに、あてはまる、どちらかといえば当てはまると回答した割合が小学校で86・6%(全国86・3%)、中学校で79・1%(全国79・7%)となった。いずれも全国平均と同程度だが、昨年度は全国平均に比べ、小学校がマイナス3・7、中学校がマイナス6・7だったことから大きく改善した。
県教育委員会は「まだまだ課題が多い。市町村教委や学校と一体となって、現在進めている学力向上対策中期計画に基づいた取り組みを充実して、さらに改善をしていきたい」と話している。