今週は、正式・特別競技の「カヌー(スラローム・ワイルド)」が行われる、北山村を紹介したい。
北山村は、周囲を奈良県と三重県に囲まれた飛び地。飛び地が一つの単体で市町村を形成するのは日本唯一。人口は約450人で、全国で2番目に人口が少ない村。
古くから林業で栄え、切り出した木材を北山川に流し、下流となる新宮へ運び、商人へ売っていた。そのため、かつてから新宮との結び付きが強く、和歌山県に属するきっかけになったといわれている。
昭和40年代にダムが建設されるまでは、木材を筏(いかだ)にして流す「筏師」が活躍。起伏の激しい難所を乗り越える勇壮な姿が特徴だった。昭和54年、「北山川観光筏下り」として筏流しが復活。現在も5月から9月にかけ一日2便運航され、多くの観光客が訪れる。近年はラフティングも楽しめるようになり、涼を求める観光客に人気。
また、北山川上流にある渓谷「瀞峡(どろきょう)」は、古くから名勝としてたたえられ、岩が作り出す渓谷美をジェット船で巡り、楽しむことができる。
9月13日には、和歌山県側からのアクセスに重要な、国道169号の一部区間が改良の上開通。狭小区間が減り、アクセスが便利になる北山村へぜひ。(次田尚弘/北山村)