9月26日に開幕する紀の国わかやま国体で、初めて公開競技に採用されたグラウンド・ゴルフ。気軽に楽しめる生涯スポーツとして年々人気が高まっており、県グラウンド・ゴルフ協会の宮田栄子会長(74)=和歌山市中島=は「第1回が地元和歌山で開かれ、歴史に残る大会。全国の皆さんと交流を図りながら楽しくプレーし、グラウンド・ゴルフの今後の発展にもつながる大会にしたいです」と話している。
昭和57年に鳥取県で考案されたスポーツで、ゴルフのようにクラブでボールを打ち、立てたホールポストに何打で入るかを競う。日本グラウンド・ゴルフ協会は全国に約19万人の会員があり、愛好者は約300万~400万人とされる。県内では5ブロックに、50代から90代まで約1480人が登録している。
県の協会は平成2年に発足し、宮田さんは全国で2人目となる女性会長として昨年春に就任。理事時代には、それまで県では開かれることのなかったレディース大会を実現するなど、協会の発展に尽力してきた。
グラウンド・ゴルフはルールが簡単で、高度な技術は必要ないという。初心者でもすぐに取り組め「誰もが、いつでも、どこでも楽しめる」のが大きな魅力。標準コースは15㍍、25㍍、30㍍、50㍍の各2ホールの計8ホールで構成。1組4~7人で、直径6㌢のボールを打ちながら回る。
高齢者に浸透しているゲートボールのイメージが強いためか、「年寄りがするもの」と思われがちだが、団体競技のゲートボールと違い、個人戦なので「自分のミスで周りに迷惑をかける」といった負担が少ない。健康の維持増進や筋力アップなど、体力づくりにも最適だ。
同会メンバーが練習場にしている同市の紀の川河川敷には「いいとこ行った!」「ナイス!」「お先に」などと元気な掛け声が響き、はつらつとボールを芝生の上に滑らせていた。
汗をかきながら和やかに絆を深め、宮田会長は「あまり外に出なかったような方も、仲間ができて楽しいと、皆さん心から喜んでくれる。この輪をもっと広げていきたい」とにっこり。
公開競技として9月19、20日、すさみ町の町総合運動公園で開かれ、全国から1チーム12人(男6人、女6人)が出場。開催県の和歌山は2チーム出場でき、本紙エリアでは川本時弘さん(82)、向井喜久子さん(74)、多和悦子さん(78)が挑む。
全国的には小中学生にも広がっており、宮田会長は「家族3世代で楽しめるスポーツ。今後和歌山でも若い世代に普及させていきたい」と意気込んでいる。