ネパールの大地震被災地で衛生環境を整えるなどの医療活動を行った日赤和歌山医療センター(和歌山市小松原通、百井亨院長)の職員3人が帰国し、同センターで7月29日、報告会が開かれた。
同センターでは大地震が発生した4月25日に先遣隊を派遣し、5日後に緊急救援第1班が出動、今回帰国した3人は、第1班の活動を継続するため、6月2日から7月15日まで第2班として派遣されていた。
報告したのは、医師で感染症内科部副部長の古宮伸洋さん(41)、看護師の大谷香織さん(39)、薬剤師の榊本亜澄香さん(37)。3人によると、現地では、たくさんの患者が傷口を清潔にしていないため、悪化している例が多かった。そのため医療活動の他に、教師や生徒らを含む地元住民に、傷に付いている泥を落とすなどの基本的な衛生処置、救急法の講習会なども開かれた。
古宮さんは「自分たちが帰国することも考えて、患者に中途半端な治療をしてしまうと害になる場合があり、治療が途中にならないよう気を付けながら診察していました」、大谷さんは「患者さんとのコミュニケーションを大切にしながら治療していました」と治療の様子を語り、榊本さんは「現地のスタッフに、薬に関する使い方や開発された経緯などを伝え、知識の底上げをしました」と話していた。