27日から10年ぶりに来県されている皇太子さまは28日、和歌山ビッグホエール(和歌山市手平)で行われた平成27年度全国高校総合体育大会(インターハイ)の総合開会式に出席された後、午後は隣接する和歌山ビッグ愛で、インターハイの運営準備を進めてきた競技開催地の高校生と交流された。
交流会には、近畿2府4県の生徒42人が出席し、各府県の生徒が開幕までに行ってきた、啓発や記念品作りといった活動を説明。和歌山からは、県内高校の代表生徒でつくる「県高校生活動推進委員会」をはじめ、啓発用のトートバッグやコースターを製作した県立和歌山ろう学校、開会式で式典の音楽演奏を務めた県立向陽高などの生徒が参加した。
同委員会のメンバーは、来県者を気持ち良く迎えるために競技会場や駅などで清掃を行ったこと、県内の高校生からペットボトルキャップ約5000個を集めてインターハイのシンボルマークを作ったことなどを説明すると、皇太子さまは「作るのは大変でしたね」とねぎらいの声を掛けられた。
ろう学校の生徒が紀州材を使用して製作したコースターは、開会式の来賓者に配布された。同校生徒を前に、皇太子さまは「食事の時に使わせていただきました」と笑顔で話された。その後、開会式で組体操を披露した県立田辺工業高の生徒による組体操の実演、向陽高による演奏を鑑賞され、近畿の高校生とふれあいのひとときを過ごされた。
総合開会式で歓迎の言葉を述べた、同委員会委員長で県立橋本高3年の梶田太陽さん(17)は「和歌山に来る選手たちをおもてなしするために、考えてきたあいさつや催しが開会式で形となり、とてもうれしい。『大変でしたね』と声を掛けていただき、皇太子さまは温かかった」と笑顔。ろう学校専攻科1年の長坂真由美さん(19)は「皇太子さまに説明するのはとても緊張しましたが、『今の学校生活は楽しいですか』などと優しく話していただき、無事に説明することができました」と話していた。