犯罪抑止対策の一環として、海南署(島泰弘署長)はパトカーで音楽を流して警ら活動を行う「メロディー・パトロール」を21日から試験的に開始した。メロディー・パトロールは奈良県警などで取り組んでいるが、県内での導入は初めて。島署長は「空き巣などの犯罪者への威嚇効果で、犯罪を抑止することができれば」と話している。
同署によると、犯罪被害に遭わないためにパトロールの強化を求める地域住民の声が多く寄せられたことから、メロディー・パトロールの取り組みを検討。試験的に山間部で高齢者の多い地域に音楽を流すパトカーを配備し、紀美野町の野上交番と真国宮、神野市場、毛原宮の3駐在所の管轄地域で実施される。
21日、野上交番前で出発式が行われ、巡回に当たる署員を前に島署長が「メロディー・パトロールの趣旨を理解し、効果的なパトロールを行ってもらいたい」と激励。寺本光嘉町長も駆け付け、「メロディー・パトロールの実施が犯罪抑止を図るとともに、住民の防犯意識の高揚につながればと思っている。安全安心のまちづくりの推進に今後もご協力を」と呼び掛けた。
その後、4台のパトカーが、県警音楽隊の演奏する「和歌山県警察官の歌」を流しながら、同交番からパトロールに出発。島署長は、犯罪抑止の他にも「地域住民に警察を身近に感じてもらい、住民の安心感の向上につながれば」と期待を話していた。
同署では今後、メロディー・パトロールの試験導入の効果を検証し、実施する地域を拡大していくことにしている。