シェールガス施設運用権販売名目に県内の女性から現金をだまし取ったとして、和歌山、埼玉、岐阜の3県警合同捜査本部は19日、東京都葛飾区の無職、松本靖弘容疑者(45)ら東京、埼玉などの男女16人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。合同捜査本部の調べでは被害は34道府県94件にわたり、被害総額は約4億7000万円にも上るとみられている。
和歌山県警捜査二課によると、16人は共謀し、実態がない「エクソン興産㈱」や「㈱大同総合」を名乗り、米国の世界最大エネルギー会社の日本代理店や運用権の買取仲介会社を装い活動。ことし1月14日ごろ、橋本市の女性(当時67)の自宅にパンフレットを送り、電話で「シェールガスの運用権は、パンフレットが送られている地方の人しか買うことができないなどとして」と言葉巧みにだまし、同月中に3回に分けて670万を郵送させた疑い。
同本部は、東京都内に活動拠点があることをつかみ、先月29日に関係者ら14人を一斉に逮捕。その後、所在不明になっていた2人も逮捕した。また同様の手口で、昨年12月にも広島市の女性(当時64歳)から現金500万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で14人を再逮捕した。同本部は16人の役割分担や余罪についても調べを進めている。
和歌山県警は、同様のパンフレットの送付や電話があった場合は、相手の話を真に受けず、すぐに「♯9110」(警察相談窓口)に電話するように注意を呼び掛けている。