遺族厚生年金をだまし取ったとして、和歌山東署は6日、和歌山市岩橋の介護福祉士、大倉澄子容疑者(63)を有印私文書偽造と同行使、詐欺の容疑で逮捕した。容疑を認めているという。
同署によると、大倉容疑者は、日本年金機構が給付する遺族厚生年金を受けていた実母が平成16年5月14日に死亡していたにもかかわらず、25年9月20日ごろ、同機構が発送した年金受給者現況届の受給権者欄に実母の名前を記入するなどして返信。実母が生存しているかのように同機構職員を欺き、同年12月13日から26年10月15日までの間、6回にわたって計188万6598円を実母名義の銀行口座に入金させ、だまし取った疑い。
昨年8月、同機構が年金受給者現況届を発送したが返信がなく、同機構和歌山東年金事務所が受給権者の状況を調べたところ、実母は死亡していることなどが分かり、ことし3月に同署に相談し、届け出ていた。
同署の捜査で、大倉容疑者は実母の死亡後、16年6月15日から63回にわたり、計約2017万円の遺族厚生年金を不正に受け取っていた疑いが浮上しており、引き続き捜査を進めている。
厚生年金保険法では、受給権者が死亡した場合、10日以内に年金事務所に届け出をしなければならないとされる。