世界規模の書体デザインコンテスト「モリサワタイプデザインコンペティション2014」で「明石賞」を受賞した、和歌山市のグラフィックデザイナー・井口博文さん(52)と書家・北原美麗(びれい)さん(50)の記念祝賀会が15日夜、モンティグレ(ダイワロイネットホテル和歌山)で盛大に開かれた。210人が祝いに駆け付け、2人のフォント(活字書体)が和歌山から世界に発信される喜びを分かち合った。
フォント市場1位のシェアを誇る㈱モリサワが2年に1度開くコンテスト。今回は世界24の国・地域から386点の応募があった。
井口さんは本紙金曜付の人気コラム「そらそうと」でもおなじみ。2人の作品「北原行書」は、同社の新作フォントにふさわしいとして明石賞に選ばれ、製品化が約束された。
祝賀会は、北原さんの幼なじみで、津軽三味線木乃下流家元の木乃下真市さんによる「津軽じょんがら節」で幕開け。コンテスト主催者を代表してマイクを握ったモリサワ文研㈱(兵庫県明石市)の森澤典久代表取締役は、「北原行書は特に漢字が美しいと感じた。製品として販売され、全国の多くの皆さんにご利用いただけることになる」と祝辞を述べた。
北原さんは「温かい励ましなどがあったから」と周りの支えに感謝し、ことし結婚30周年を迎えた夫・茂さんにも「あらためて、ありがとう」とにっこり。製品化に向け、「私がいままで培ってきた技術を、全ての力を出し切って完成させたい」と意気込みを語った。
井口さんも「多くの人のお力添えがあったからだと本当に思う」と目を細め、「そのことを心に踏まえ、日々頑張っていくことが人の道、デザインの道だと信じていきたい」と今後の抱負を述べた。
最後に2人の家族からそれぞれに花束が贈られ、岸本周平衆院議員の発声で乾杯した。