科学技術に関する教育に創意工夫して取り組み、顕著な成果を収めた小中学校をたたえる、平成27年度文部科学大臣表彰「創意工夫育成功労学校賞」に、和歌山市有本の市立四箇郷北小学校(貴志年秀校長)が選ばれた。同賞は全国15校に贈られ、近畿では同校のみ。貴志校長(58)は「名誉ある賞を頂き、うれしい。子どもたちが一生懸命取り組んでくれた結果です」と喜びを話した。
国の科学技術水準向上に寄与することを目的とした科学技術分野の大臣表彰。同賞の他、科学技術賞、若手科学者賞などがあり、本年度は青色発光ダイオード(LED)の発明に携わり、昨年ノーベル物理学賞を受けた天野浩さんも科学技術賞(研究部門)で表彰された。
同校では主に理科や生活科の授業で、ものづくりや科学体験の指導について創意工夫。夏休みの登校日には、児童からの自由研究と工作の相談を教員が受け付け、データの取り方や作り方をアドバイスしている。
また、児童が主体となり大学生と一緒に科学研究を行う和歌山大学の「スーパーサイエンスジュニア(SSJ)」に参加したり、県発明協会の「私たちのくふう展」、市の「市民発明くふうコンクール」に出展したりするなど、創意工夫した活動に積極的に取り組んでいる。
各作品展では多くの賞を受けており、25年度の私たちのくふう展では、太陽電池と波の力で海中の有害物質を取り除く装置「セシウム パックン」を4年生21人で制作し、発明協会長賞を受賞。貴志校長は「いつかノーベル賞を受賞する児童が出るとうれしいですね」と笑顔で話していた。