架空請求などの特殊詐欺の被害が増加していることを受けて、県と県警、県内の金融機関などは22日、県特殊詐欺被害防止対策協議会を和歌山市の県民文化会館で開いた。
下田隆文県警本部長は冒頭、県内で昨年認知された特殊詐欺被害の件数は、一昨年より8件少ない55件だったが、被害額は約90%増の約5億6500万円で過去最高となったことなどにふれ、県警として、広報啓発の推進に取り組んでいく考えを示した。
その後の会議は非公開で進められ、県内の特殊詐欺被害の現状などが詳しく説明された。深刻な被害に歯止めをかける水際対策の強化として、高齢者から高額な現金出金の申し出があった場合は、全て110番通報するように県警から金融機関への要請なども行われた。
県内の特殊詐欺の被害者は60歳以上の高齢者が約8割で、ターゲットとされている。被害金の交付方法は、平成25年は金融機関などでの振り込み型が54%だったが、26年は現金を宅配便などで送らせる送付型が58・2%となった。さらに、ことし3月末までに認知された16件では、手渡し型が半数の8件を占める。
主な手口も変化しており、「あなたの口座が詐欺に使われている」「このままでは逮捕される」などと不安をあおり、脅し文句で現金をだまし取る悪質なものが増えている。
今月16日には、和歌山市内の66歳の女性が金融庁職員などを装った男に総額約9440万円をだまし取られる被害が確認されている。