県議選もいよいよ終盤。少数激戦となっている和歌山市選挙区(定数15)の候補者17人も、12日の投開票に向け「最後のお願い」に走っている。各陣営の声からは、一部の候補者が上位で安定している他は、ほとんどの候補者が7000票台程度で横並びとの見方が浮かんでくる。ぎりぎりの接戦は、投開票直前まで、候補者の一つひとつの行動が明暗に影響しそうだ。
2日現在の選挙人名簿登録者数は30万9549人(前回比3334人減)。仮に投票率を40%、上位5人が5万票を取るとすると、残る12人の当落線は7000票程度かそれよりもやや下かというところ。投票率が前回(45・43%)よりも下がると見る多くの陣営は、このような予想から「最低でも7000票は欲しい」と話す。
あるベテラン現職の陣営関係者は「上位がガサッと票を取ってくれると、うちのように地域の固定票頼りの候補はボーダーが下がるのでありがたい」とぽろり。ほぼ毎晩、個人演説会を開き、涙もろい候補は予想以上の人が集まるたびに涙ながらに演説しているといい、「真面目で真っすぐな人柄と、ベテランならではの仕事の速さを訴えていきたい」と気負い込む。
前回は中程で当選した現職の陣営関係者は、「終盤になっても低調ムードは変わらない」と危機感。「昔は選挙があると大勢で街が盛り上がった。いまは規制が強すぎて投票率が下がるのは当たり前」と、選挙制度への疑問ももらす。
ある新人の陣営は「反応はいい」という。ハンドマイクで路地裏を歩き、政策を訴える活動に力を入れており、「街頭で政策を聞いてもらい、共感したらぜひ支持をお願いしたい」と呼び掛ける。
街宣カーからの訴えも口調が早まるなど、日に日に熱を帯びており、各陣営はミニ集会や“どぶ板戦術”など、それぞれの手法でラストスパートをかける。