12日の投開票が刻々と迫る県議選。和歌山市選挙区(定数15)では2人オーバーの少数激戦が繰り広げられているが、多くの陣営は、東日本大震災直後の自粛ムードの中で行われた4年前と比べても、さらに選挙ムードは「低調」と口をそろえる。投票率は過去最低だった前回の45・43%をさらに下回る可能性がある。
和歌山市選挙区の投票率は平成11年の59・39%から回を重ねるごとに4~5ずつ低下。前回初めて50%を割り、過去最低となった。
「争点うんぬん以前の話。国会議員の不祥事などで政治自体が信頼されていない」。ある陣営関係者は強い政治不信が背景にあるとし、投票率は前回のさらに1割減とみる。いまだに選挙期間中であることを知らない有権者も多いと言い、「とにかく支援者一人ひとりに、周りに声を掛けてもらうしかない」と話す。
今回は自粛ムードもなく、各陣営、選挙カーの色を派手めにするなど全力でアピールするが、「演説会は前回より1割ほど集まりが悪い」「後援会はがきは返ってくる数が前回の半分」などの声が聞こえ、それぞれ支持拡大に苦心する。衆院選などが続いた昨年からの選挙疲れも見られるという。
4期目を目指す現職候補も地域を回る中で関心の薄さを実感。「50%に乗るように頑張りたい」と意気込む。また別の現職候補はこれまで同様、今回も5%ほど下がると見ており、「もっと政策を前面に打ち出していかんと。どれもこれも一緒やと思われる」と、名前の連呼合戦に終始していては市民の足は動かせないと指摘する。
一方で出陣式や演説会に予想外の人数が集まり、「前回より低調な選挙だとは思わない。投票率は2%ほど上がるのでは」という声も一部にある。
県選挙管理委員会は県議選では初めて、県のブログやフェイスブック、県内全域のローソンとファミリーマートのレジ画面を使ったPRを展開。先日はイオンモール和歌山とJR和歌山駅前で啓発活動を行い、啓発グッズのマスクなど計6000個を配った。8日からは広報車2台を市内で走らせ、期日前投票の利用などを呼び掛けている。