橋本市出身の紀州高野組子細工職人、池田秀峯さん(68)の作品展が12日まで、和歌山市本町のフォルテワジマ2階で開かれている。
組子細工は、釘などを使わずに木材を手作業で組み上げ、幾何学模様を作る工芸品。池田さんは伝統の技を受け継ぐとともに、平成3年に「きのくに・ちぎれはめ込め技法」を独自に編み出した。同技法は、3本の木材を組み合わせて正三角形を作り、そこに木片を入れることで色の濃淡を出し、山や海などを絵画のように表現する。
池田さんは、天皇、皇后両陛下に作品を献上したのをはじめ、数々の表彰や受賞歴がある。
今回の展示会にはヒノキやスギを中心に使った作品が20点あり、制作に3年をかけた富士山のついたて、組子だんじりなどが来場者の目を楽しませている。
池田さんは「できるだけ多くの方にこの技法にふれてもらえたらうれしい」と笑顔で話した。
午前10時から午後4時まで。11日午後2時からは池田さんによる作品解説がある。問い合わせは池田清吉建具(℡0736・32・8270)へ。