外国人観光客らの満足度を高めようと、県は平成27年度、宿泊施設などに無料公衆無線LAN(Wi‐Fi)の設置を一気に進める新施策「和歌山フリーWi‐Fi大作戦」に取り組む。26年度補正予算に約2億2000万円を計上している。
外国人観光客が立ち寄りそうな宿泊施設、寺社仏閣、レジャー施設、駅、飲食店など約500カ所に対し、Wi‐Fiの設置費用を1機目10割(2機目以降3分の2)補助。県観光交流課が把握している限り、同様の施策に取り組む他府県では規模の大きい佐賀県でも補助率5割(予算約9000万円)だといい、和歌山の力の入れようが分かる。
また、図書館、美術館などの県有施設12カ所にもWi‐Fiを整備する他、市町村(観光地)の施設約50カ所に対しても設置費用の2分の1を補助する。
設置場所には「WAKAYAMA Free Wi‐Fi」と書いた共通デザインのステッカーを表示。接続のための認証手続きは可能な限り簡素化し、利便性を高める。
民間の設置場所は公募を行い、趣旨に合った施設を選定する。公募の詳細は4月以降に発表される。
同課によると、平成26年の県内への外国人観光客(宿泊)数は、最多だった25年の21万人を超える見通し。開創1200年を迎える高野山が日本で唯一「2015年に訪れるべき世界20選」(ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー誌)に選ばれたこともあり、他の観光エリアのプロモーションと合わせてPRすることで、さらなる外国人観光客の増加につなげていくという。
同課では「タブレットなどを和歌山に持ってきても使えないと不便を感じさせないようにしたい」と話している。