一流の演者を迎えての本格的な能公演「けんぶん能」が14日午後1時半から、約15年ぶりに開かれる。当初は和歌山市の県民文化会館小ホールで予定されていたが、同ホールの閉鎖に伴い、同市民会館大ホールでの開催となる。
演目は、平成26年度文化庁地域文化功労賞を受けた和歌山市の観世流能楽師・小林慶三さんによる仕舞「嵐山」、大蔵流狂言師・茂山千五郎さんの狂言「察化(さっか)」、観世流・片山九郎右衛門さんの能「海士(あま)」の3本。能「海士」は香川県で語り継がれている話。亡母追善のために従者と讃岐を訪れた藤原房前は一人の海士と出会う。海士は、かつて藤原不比等と契りを交わし、唐の国から贈られ、この地で奪われた宝珠を取り戻すため、命懸けで海に潜ったことを語る。
狂言「察化」は、主人が伯父に連歌の師匠に頼もうと、太郎冠者を使いに出すが、太郎冠者は「見乞いの察化」と名乗る詐欺師を連れ帰って来てしまう。主人は素性を知っていたので驚くが、事を荒立てぬよう、太郎冠者にもてなすよう言うが、失態ばかり。あきれた主人は自分のまねをするよう言いつけるが、ついには――という話。
前売り5000円(当日5500円)。全席自由、未就学児は入場不可。問い合わせは県民文化会館(℡073・436・1331)。