桃の節句の3日、役目を終えた雛(ひな)人形に感謝し、供養する、淡嶋神社(和歌山市加太、前田光穂宮司)の伝統行事「雛流し」が行われ、納められた雛人形は小舟に積まれ、地元の海へと送り出された。
同神社の祭神・少彦名命(すくなひこなのみこと)は男雛(おびな)の元とされ、雛流しは昭和37年から行っている。この一年間に全国各地から雛人形4万体以上が納められ、うち約6000体が本殿に並べられた。
この日、本殿で雛人形をおはらいする神事の後、約600体が、みこらの手によって3隻の小舟へと丁寧に積まれ、地元の海岸へ。前田宮司が雛人形の役目をねぎらい、女性の幸せなどを祈る祝詞を上げ、桟橋から流した。多くの参拝者やカメラマンらが航路を見つめた。
同市市小路から訪れた藤田理津子さん(58)は「古くからある素晴らしい祭り。みんなの幸せにつながれば」と話していた。
本殿の雛人形は、今月下旬まで見ることができる。