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ロボットで直腸がん手術 医大で県内初

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県立医科大学(和歌山市紀三井寺、岡村吉隆学長)は、県内で初めて、遠隔操作の最新鋭手術ロボット「ダ・ヴィンチ」を使った直腸がん手術を2例成功させたと発表した。現在は保険適用外だが、まずは10例を同大が負担し、自由診療につなげたいとしている。

16日に同大で、外科学第2教室の山上裕機教授、瀧藤克也准教授、堀田司准教授が会見した。「ダ・ヴィンチ」は、内視鏡カメラを装着した1本のアームと、鉗子(かんし)やメスを装着できる3本のアームからなる手術ロボット。高解像度の3次元画像を見ながら医師が遠隔操作する。

直腸がん手術は主に、体への負担が少ない腹腔鏡手術が行われてきたが、患部が骨盤の奥にあるため操作が難しい。ロボット手術は空間を立体的に識別でき、こうした場所の手術に有効という。

ダ・ヴィンチを使った手術では鉗子が精密に制御され、直線で角度が限られていた腹腔鏡手術に比べて微調整やコントロールがしやすく、傷口の腹壁にストレスがかからない。また、先が回転する鉗子で人間の手以上に繊細で正確な処置ができ、短い糸をからめるような操作もしやすく、美しく縫合できるという。

同大で手術を受けたのは60代から70代の男女2人。進行度がステージ1の患者で、1月中旬と2月初旬に手術を受け、合併症もなく1週間ほどで退院したという。

同大によると、ロボットによる直腸がん手術ができる施設は限られ、国内での報告例は昨年末までで約600。同大では4人の技術認定医が手術を担当する。

同大は2012年にダ・ヴィンチを導入。これまでに保険適用の前立腺全摘出手術を主に153件の症例がある。

瀧藤准教授は「一般の方にロボットは冷たい印象があるかもしれないが、人の操作で非常に精密に動く、腹腔鏡を凌駕(りょうが)した手術機械」。山上教授は「消化器の中でもロボット手術のメリットを最大限に生かせる直腸がんで症例を増やし、保険適用につなげられれば」と話している。

ダ・ヴィンチの操作の様子(県立医大提供)

ダ・ヴィンチの操作の様子(県立医大提供)


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