インドの食文化を体験する授業が27日、和歌山市の県立和歌山ろう学校(島田健司校長)で開かれ、インド出身で同市に住むガネーシュ・ギリさんを講師に、被服科と被服科の専攻生合わせて5人が本格的なカレー作りに挑戦した。
講師のギリさんは、昨年開かれた、NPOや企業が学校で提供できる授業内容を提示する「共育支援メニューフェア」(県教委主催)に参加。同フェアでギリさんの授業を知った同校が、生徒に異文化体験をしてもらおうと依頼した。
授業では、パプリカ、レンコン、オクラ、玉ネギなどの野菜をふんだんに使用したチキンカレーと、フライパンで手軽に作れるナン、玄米のオニオンライスなどを調理。
生徒はギリさんに教わりながら、下ごしらえした野菜を鍋に入れ、トマトが溶けるまで煮詰めた後、約20種類がブレンドされた香辛料を投入。教室には一気にスパイシーな香りが漂い、完成を待った。オニオンライスが炊き上がるまでは、全粒粉で作ったナンの生地を麺棒で薄く均等に伸ばし、フライパンへ。焼いていくとナンの生地は風船のように膨らみ、生徒は驚いていた。
料理が完成すると、ギリさん手製のチャイと一緒にお昼ご飯。ギリさんからナンの食べ方などを教わりながら、本格カレーをたっぷり味わった。
専攻生2年の田中優奈さん(20)は「ナンを作るのは楽しい。家でも作ってみたい」とにっこり。ギリさんは「生徒たちが興味津々に料理してくれてうれしい。季節の野菜を使い、手作りすることで食への関心を高めてもらえたら」と話していた。