文化財防火デー(26日)を前に、海南市消防本部は22日、本殿が県指定文化財に指定されている藤白神社(田昌生宮司)で消防訓練に取り組み、貴重な地域の財産を火災などの災害から守る決意を新たにした。
訓練には消防隊員をはじめ、同神社、市教委の関係者ら約50人が参加。拝殿から出火し、強風で本殿、本堂、南側山林に延焼する恐れを想定して実施した。
拝殿から上がる発煙筒の煙を発見した神社関係者が消防署へ通報した後、参拝者を避難誘導し、文化財を安全な場所へ持ち出した。消防隊員が到着すると、延焼した山林までホースを延長して放水するなど、適確な作業で本殿を守った。
同本部の谷山桂・消防司令長は「文化財が後世に残るよう、地域の皆さんと一緒に守っていきたい」。市教委の西原孝幸教育長は「迅速な消防活動に感謝」と講評。田宮司は「私どもも身を引き締め、文化財の維持に努めたい」と力を込めた。