和歌山東署は21日、和歌山市在住の女性(84)が、警察官などをかたる特殊詐欺の被害に遭い、現金計113万円をだまし取られたと発表した。
同署によると、20日午後2時ごろ、女性宅に「西警察署振り込み対策室」を名乗る男から電話があり、「振り込め詐欺のアジトを見つけ、お宅の通帳が見つかったので共犯者かと思った」と連絡があった。男は「あなたの名前が詐欺に使われているかもしれない。便利なカードがある」と、指紋認証ができるカードと替えることを勧めた。カードを替えるには、現在利用しているカードの暗証番号が必要と言われた女性は、暗証番号を伝え、指紋認証のカードは銀行協会の人物が持ってくると告げられた。
その後、銀行協会を名乗る男から「キシモトという者にキャッシュカードを持って行かせる」と電話があった。女性宅に男が訪れ、女性はカード預かり証と引き替えに、所持するキャッシュカード3枚を渡したという。
訪れた男の特徴は25歳くらいで、身長165㌢程度。紺色っぽいスーツ姿で、黒髪の横分け。手ぶらで、一言も会話はしていないという。
21日、キャッシュカードを渡したことが不安になり、警察に届け出た。女性のキャッシュカードからは、20日に4回、21日に1回、現金が引き出されていた。同署が捜査を進めている。