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震災直後の神戸写す 十一番丁で写真展

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 20年前の1月17日に発生した阪神・淡路大震災直後から、神戸市のまちの様子をカメラに収めてきた同市の写真家・米田定蔵さん(82)の写真展「大地のエネルギー」が26日まで、和歌山市十一番丁のギャラリーT・E・Nで開かれている。米田さんは「人が謙虚に生きるための教訓として、あらためて記憶にとどめてもらえれば」と話している。

 米田さんはテレビのCM撮影などのフィルムカメラマンとして活動しながら、約40年にわたり神戸港や神戸の近代洋風建築を撮影。阪神・淡路大震災直後からは、神戸の風景を写真で記録し、平成9年に神戸を元気づけた人に贈られる市民賞「ロドニー賞」を受賞した。

 13年には被災地の風景と、その後の定点撮影をまとめた写真集『都市の記憶―神戸・あの震災』(息子の英男さんとの共著)を発表。20年度神戸市文化活動功労賞を受けている。

 20年前のあの日の朝、長田区の自宅は半壊。スタジオの扉が壊れて中に入れなかったが、米田さんは車に残されていた2台のカメラと6本のモノクロフィルムを抱えて飛び出した。

 目の前にあったのは、これまで見たことのない風景。「このまちの記憶を写真に残しておかんと」――。使命感のような思いに突き動かされ、夢中で撮り続けたという。

 今展で紹介しているのは、17日と18日の2日間で撮影した写真。根元から大きく傾いた阪神高速道路や崩壊した建物、むきだしになったコンクリートの支柱など25点。震災に耐えた建物も紹介されている。

 米田さんは「日本の近代建築の象徴のような建物の倒壊は、あわれで、建築物には設計者の美学が込めらるといったそれまでの楽天的な思いは、一瞬にして打ち砕かれました」と振り返り、「文明の進歩に頼り過ぎると、しっぺ返しをくらう。高層ビルが建ち並び、まちの様子は少し変わってしまいましたが、20年前の建物は設計にも忠実に真面目にあるべきことの大切さを教えてくれます」と話している。

 午前11時から午後6時。火曜日休み。問い合わせは同ギャラリー(℡073・432・5600)。

米田さん

米田さん

陥没した道路を歩く人々(兵庫区大開通)

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