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トライアンズ存続 ファンらの支援実る

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 バスケットボール男子のトップリーグNBLは14日夕方に東京都内で記者会見を開き、経営破綻した和歌山トライアンズについて、県バスケットボール協会を受け皿として存続させると発表した。7日の活動停止から1週間、消滅の危機にあったチームだが、ブースター(ファン)や選手らの存続への熱い思いがリーグを動かした形だ。チームは21日に西尾市総合体育館で行われるアイシンシーホース三河戦に臨む。チーム名については現在協議中。

 NBLの発表によると、所属していた11選手のうち5選手がチームを離れるが、経営難から現在NBL管理下にあるつくばロボッツから自由契約になった4選手が加入し、最低登録人数の10人を確保するという。今季オールスターに出場予定だった阿部佑宇選手は自由契約になったため、寺下太基選手が出場する。

 チーム関係者らによると、活動停止発表後の9~12日、NBLの丸尾充理事長が県入りして県協会の小村文宏会長らと連日協議を重ね存続の道を探った。一方、13日午後には、旧経営陣と選手、スタッフらがノーリツアリーナ和歌山に集まり、NBLによる報酬カットの提示などを受け、いったんは廃部で一致したが、その後に日本バスケットボール選手会(岡田優介会長)の支援増額の提案などがあり、状況が一気に好転した。

 存続に向け積極的に動いた和歌山市出身の寺下選手は自身のツイッターで「7日からここまで、二転三転どころか、八転九転位はありました。期待しては落とされ、期待しては落とされの繰り返し」と振り返り、「復活できたのは、ブースターのみなさん、選手会会長、県協会、和歌山県の職員の方達、スポンサーの方達、NBLの方、関わってくれた全ての人達のおかげです」とツイッターで感謝の言葉を述べた。受け皿になった県協会の小村会長は「ブースターの思いに協会が動かされた。リーグと協力しながら、まずは今季をまっとうし、運営の道筋を付けたい」と意気込みを話した。

 新チームには、和歌山トライアンズから寺下選手の他、嶋田基志、堤啓士朗、川村卓也、ポール・ビュートラック、ゼーン・ノーレスが残留、元つくばロボッツの竹田智史、高島一貴、佐藤託矢、大金広弥が合流する。コーチ陣は、石橋貴俊ヘッドコーチと塚本鋼平アシスタントコーチが引き続き指揮を執る。

 チーム存続の朗報を受けて仁坂吉伸知事は14日夜、「誠に喜ばしい。しかし前途は多難なものとなることが予想され、和歌山のプロバスケットボールチームの存続がより確実なものとなるよう、引き続き支援していく」とコメントした。

 和歌山市は15日、市役所1階総合案内に、チームを支援する募金箱を設置し、来庁する市民らに協力の呼び掛けを始めた。尾花正啓市長は「今後も厳しい状況は続くと思うが、市民一丸となり、和歌山トライアンズの活動が継続できるように協力していく」とコメントしている。

和歌山市も支援に乗り出し募金箱設置(15日)

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