昨年3月30日に開通した京奈和自動車道紀北東道路、紀北かつらぎ~紀の川インターチェンジ(IC)間の整備に伴い、沿線地域への新規立地企業が増加するなど、さまざまな整備効果や交通状況の変化が現れている。和歌山河川国道事務所が効果をまとめ、発表した。
立地企業が増加
県内の京奈和道沿線への新規立地企業件数は、橋本道路が開通した平成19年度の9件から毎年右肩上がりに増えており、本年度は累計44件(昨年9月時点)に。物流・通勤が便利になることから、県にも沿線自治体の工業用地への問い合わせが多く寄せられている。
物流効率が向上
紀北東道路までの開通に伴い、和歌山市の総合物流基地(直川用地)と橋本市方面の物流企業間の搬送時間が約15分短縮。これまで午後便で配送していた荷物も午前便での配送が可能になるなど、顧客満足度の向上につながっている。配送時間の短縮、燃費向上などで輸送コストの低減にも寄与している。
沿線の交通量減
今回の開通区間の平日通行量(昨年10月)は一日1万2100台~1万3500台。紀北東道路に交通が転換した結果、国道24号など並行する道路の交通量が約4割減少した。近隣の小学校からは「並行道路の混雑が緩和されたことで、生活道路を抜け道として利用する車が減り、通行が安全になった」「国道24号の大型車が減った」との声が聞かれる。
救急搬送の時短
橋本消防本部管内では第三次救急医療施設への救急搬送にかかる平均所要時間が約12分短縮した。
休日の交通量が約1割増加するなどの効果も現れている。
紀の川IC(紀の川市神領)から岩出市を経て仮称・和歌山ジャンクション(和歌山市弘西)をつなぐ紀北西道路(延長12・2㌔)は、来年度中の開通を目指して工事が進められている。