14日投開票の衆院選は、いよいよ最終盤に突入した。和歌山2区は、6選を目指す自民前職・石田真敏候補(62)が、推薦を受ける公明党を含めた組織力などを背景にリードしているとみられる。維新前職・阪口直人候補(51)は無党派層への浸透などで追い上げを図り、共産新人・富岡清彦候補(65)が続いている。
石田候補は地方議員や首長らの支援を受け、各地で優位に選挙戦を展開。公示前の知事選の影響で思うような活動ができていない中、全域で平日は朝立ち、休日は人の集まるところへ出向いて街宣でアピール。ほぼ毎日のミニ集会や個人演説会で支持拡大を訴えてきた。演説会には石破茂、甘利明両大臣らが応援に駆け付けた他、組織の引き締めにも余念がなく、迫る投開票に向け万全を図る。
阪口候補は「国民軽視の政治」や「地方に恩恵が届かないアベノミクス」を批判し、「安倍総理に白紙委任してはならない」と選挙への関心を高めつつ支持拡大に奔走。10日の橋下徹共同代表の来訪以降、陣営の雰囲気は高まり、手応えが増しているという。自民の組織に取り込まれていない有権者だけでなく、自公支持層の切り崩しにも全力。「身を切る改革」を掲げ、自民候補の背中を追う。
富岡候補は演説会や辻立ちを行い、消費税増税中止、原発再稼働反対を中心に訴えてきた。陣営は、選挙戦終盤に入り演説で立ち止まる若者が増加しているとし、若い世代から得た共感を票につなげたいとしている。前回ほど維新の風は強くなく、自民の対抗軸としての共産の立ち位置を強調。「自民の一人勝ちを不安に思う住民もいる」とし、最後まで安倍政権に対抗する政策を訴えていく。