特産の有田みかんの栽培・加工などを手掛ける早和果樹園(有田市、秋竹新吾社長)は、異業種や地域とネットワークを構築し、新たな視点で6次産業化に取り組んでいる団体・個人を表彰する「6次産業化優良事例表彰」で最高賞となる農林水産大臣賞を受けた。
農水省の補助事業「6次産業化ネットワーク活動全国推進事業」の一環で、野村アグリプランニング&アドバイザリーが主催。受賞者の先進的な取り組み内容を紹介し、農林漁業の発展を図ろうと実施している。
審査するのは、経営規模、収益性、成長性、今後の発展性など7項目。今回は全国から50事例の応募があった。
早和果樹園は、ミカンの生産・加工段階で、水分と栄養分をコンロトールする栽培法「マルドリ方式」や、地元食品加工業者と連携し、ミカンの皮をむいて裏ごしする製法「チョッパー・パルパー方式」などを取り入れながら、ミカンの糖度・味にこだわった高付加価値みかんジュース「味一しぼり」をはじめ、中価格帯のミカンジュース「飲むみかん」など消費者のニーズに合った商品を開発。付加価値性の高い加工をすることで、ミカン産地の活性化に貢献していること、シルバー人材センターを通じて高齢化社会に対応した雇用創出に取り組んでいること、県内外に販路を拡大し、年間約6億2000万円まで売り上げを伸ばしていることが評価された。
現在、加工工場の新設、60歳以上のシニアレディーを活用するための子会社設立も進めており、秋竹社長(70)は「地方を元気にしなければならない。そのためには農業の活性化は大事なこと。有田みかんを使った商品を全国、世界へ広めていくめども立ってきつつある。私たちの成長が地域の活性化へとつながれば」と話している。
表彰式は先月25日、東京都内で開かれた「第2回6次産業化推進シンポジウム」内で行われた。