衆議院が21日午後の本会議で解散され、12月2日公示、14日投開票の第47回衆院選に向け、県内も事実上の選挙戦に突入した。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の是非などを争点とする選挙で、保守王国和歌山の議席に変動はあるのか注目される。師走の国政決戦をどう戦うのか、県内主要各党に聞いた。
自民党は県内3小選挙区で議席独占を目指し、前職3人が立候補を予定。県連の吉井和視幹事長は「前回選挙で与党を取り戻してから、大きく国を動かした2年間。われわれには国民に評価してもらえる大きな自信がある。国土強靱(きょうじん)化や地方創生など今後、地方を元気にする政策を実行できるのは自民党だけであると訴えていきたい」と勝利に自信をみせる。
連立を組む公明党は県内小選挙区では自民候補を推薦するとみられている。県本部の中拓哉幹事長は「かねてから主張してきた軽減税率の導入を掲げて選挙に臨む。小選挙区の完勝と比例区の議席増を勝ち取ることで、2017年4月の消費税10%引き上げ時点での軽減税率の公約を実現するとともに、家計を守る公明党の政策の真価を発揮する決意だ」と意気込んでいる。
民主党は前回総選挙で政権を失いながらも、和歌山1区の議席を死守。今回も県都の決戦に全力を傾ける。県連の浦口高典幹事長は「大義なき投げ出し解散。自らの延命のみを考えた、国民生活を投げ打っての解散だ。衆院選では、現政権の問題点を明らかにし、政治の温かさを多くの国民に届けられるよう取り組む。格差を拡大する政治をこのまま続けてもいいのかということを訴える」と総選挙を位置付ける。
維新の党は2区に前職が挑む予定。県総支部の阪口直人代表は「党利党略、安倍さんの都合だけで国民不在の解散だ。(7~9月期の)GDP(国内総生産)が散々な結果となり、景気対策が重要な時にもかかわらず、今やれば勝てると思ったのか。選挙は、いつも通り目の前の一人ひとりに思いを伝え、支援者らと共に“熱い選挙”にしたい」と語る。
3小選挙区全てに候補を擁立する共産党県委員会の下角力委員長は「安倍政権は消費増税を先送りし、国民の真意を問うと言うが、本質は国民の反発に追い詰められての解散。アベノミクスの失敗は明らか。消費増税や米軍普天間飛行場の移設反対などを中心に訴えていく。国民の願いが生きる政治にするには、対決してきた共産党が大きく伸びることが重要だ」と話している。