紀州藩主が生活し、大奥が存在した和歌山城二の丸北西部の発掘調査現場で15日、第37次発掘調査の現地説明会が行われ、予定の250人を上回る300人以上の歴史好きの市民らが訪れ、江戸時代当時の生活に思いを馳せた。
同調査は、ことし7月から行ってきたもの。今回検出された遺構は、江戸時代以前に存在していた井戸を、改修しながら使ったとみられる形跡がある石組井戸や、幅1・8㍍、長さ4・6㍍、深さ2・3㍍にも及ぶ穴蔵の地下室などが発見された。
また、井戸の近くには、土塀基礎が南北に検出され、西側が「大奥」、東側が「中奥」の境界線を示す貴重な資料になった。
現場では、調査を行った市文化スポーツ振興財団職員が、歴史背景や当時の生活様式などを含めて解説した。
説明会に参加した同市木ノ本の小畑宏さん(68)は「市内で、江戸時代の生活にふれることができ感激しました。また、もう少し掘れば、より神秘的な話が現れる気がしますね」と話していた。