毎年11月14日は「世界糖尿病デー」。世界で患者が急増する糖尿病への意識を高めてもらおうと、この日は国内外でさまざまなキャンペーンがあった。和歌山市では初めて和歌山城を青くライトアップ。和歌山ろうさい病院(木ノ本)では南條輝志男院長らが講演し、来院者に早期発見の大切さなどを呼び掛けた。
世界糖尿病デーは2006年、全世界で増え続ける糖尿病を抑制しようと、国際連合が指定(11月14日はインスリンを発見したバンティング博士の誕生日)。青い輪をシンボルマークとし、毎年、世界の著名な建物を青くライトアップしてPRしている。
ことしは80カ国以上1000カ所以上(国内168カ所)で実施。和歌山市では例年、紀三井寺で行っていたが、ことしはより多くの人に見てもらおうと和歌山城に変更した。
和歌山ろうさい病院の啓発イベントには約100人が来場。基調講演した南條院長は、糖尿病患者が全世界、特にアジアで爆発的に増え、6秒に1人が糖尿病関連で死亡、20秒に1人が糖尿病壊疽で下肢切断していると紹介した。
日本でも50年間で30倍以上の患者950万人、予備軍1110万人(13年現在)に増えているという。
初期にはほとんど自覚症状がないため「早期発見が難しく、知らないうちに重症化する」と、早めの受診を呼び掛け。超高齢社会では患者を孤立させないよう「院内のみならず、地域・社会でのサポートができる体制づくりがより重要になる」と話した。
世界糖尿病デー実行委によると、世界の糖尿病人口は14年現在3億8670万人。35年には5億9190万人に増えると予想されている。