好調な高級車市場の中でも特に人気が高いメルセデス・ベンツを県内で取り扱う正規販売店、シュテルン和歌山(本社=和歌山市小雑賀、石井博社長)が、和歌山マリーナシティ(同市毛見)に本社を新築・移転することが分かった。テーマパーク内への出店は世界的にも例がないとみられ、若いファミリー層などをターゲットに、より身近なブランドを目指す新たな戦略が注目される。来年末ごろに着工し、平成29年のオープンを予定している。
同社によると、販売台数増加に伴う事業拡大に加え、より顧客満足度の高いサービスを提供するための移転となる。
日本では高級車の代名詞とも言われてきたベンツは、以前は50~60代の顧客が主流だったが、長く愛用してもらうために、30~40代の若い世代への販売戦略も強化し、顧客を増やしている。
同社の販売台数は5年前から急速な伸びをみせ、ことし1~9月は新車で前年比115%、認定中古車で同131%の増加。ことし3月には、世界初のショッピングモール内店舗となったイオンモール和歌山内に支店を出店。泉佐野市の支店も、業績拡大をにらんで5年以内に移転する計画だ。
新築する社屋は、敷地面積約5940平方㍍で、新車ショールームやサーティファイドカー(認定中古車)センターなどの他、ヨーロピアンテイストのレストランカフェを併設。LED電灯の使用や階段の段差を低くするなど、環境にも人にも優しい空間作りを目指している。
石井社長(49)は移転場所について「ロケーションとして最高の場所。テラスに出て自然を楽しめるように計画している。気軽に足を運んでいただける空間にしたい」と構想を膨らませる。今後の事業についても「最高のサービスを提供できるよう、トップブランドに携わっている誇りと責任を持ってベストを尽くしたい」と話している。