来年県内で開かれる「紀の国わかやま国体」の選手たちにプレゼントする和歌山の伝統工芸品・紀州手まり作りの輪が、各地に広がっている。
参加者に思い出に残る記念品をと、和歌山市が講習会を開き、婦人会や公民館などが協力。9000個の制作を目標にしている。
このうち、同市の小倉地区で地域に輪を広げる活動をする女性グループ「和わ輪会」(谷口美智代代表)の15人は、5月に制作をスタート。各家庭で空き時間を見つけてはちくちくと針を進め、約200個を制作。完成次第、小倉連絡所に持ち寄っている。
直径4㌢ほどの玉に、さまざまな色の糸でキクの模様を施していく細やかな作業。中には一人で100個近くを作った人も。田中しのぶさん(64)は「かかる時間は1時間ほど。いまではこつをつかんで、工夫しながら仕上げられるようになりました」、橘嘉子さん(67)は「全国から集まる選手や家族の皆さんに、少しでも喜んでもらえれば」と笑顔。
メンバーは今後、きいちゃんダンスの講習を受けるなど、国体応援ムードを高めており、谷口代表(75)は「一針一針に思いを込めています。競技に出られないぶん、このような形で参加して大会を応援したいですね」と意気込んでいる。