世界各地の芸術や音楽、舞踊、食などの文化にふれあう「世界民族祭in真国」が18、19日、紀美野町真国宮のりら創造芸術高等専修学校と周辺施設で開かれる。第6回となるイベントをPRするため、同校生徒約30人は15日、和歌山電鐵貴志川線の車両内で、同町の伝統の獅子舞や創作ダンスを披露し、乗客に来場を呼び掛けた。
イベントは平成21年から行われ、6年目。世界の民族が国境を越えて集まり、芸術、音楽、舞踊、食を通して異文化・世代間の交流を図ることで地域の活性化を目指している。毎年、開催前には貴志川線を利用してPRしており、今回は同校地元の丹生(にゅう)神社で悪魔払いや厄病退治のいわれがある志賀野獅子舞を演じた。
この日、PR列車はJR和歌山駅を午前10時48分に出発し、貴志駅へ。乗り合わせた利用客の前で、生徒は獅子舞や陽気なテンポでリズムを刻む創作ダンス、タップダンスなどを繰り広げ、車内はにぎやかに。乗客に紛れていた生徒がいきなり踊り出す演出もあり、乗客を驚かせていた。
乗車していた藤岡実優さんは「電車でこういうのを見るのは初めてで、お祭りも楽しそう。定期的に電車で披露してほしい」とにっこり。獅子舞で天狗(てんぐ)を演じた、2年生の青山桃さんは「来場して外国の方とのつながりを広げてくれたら。玉入れなど日本の運動会で行う種目を外国の方とする『まくにんピック』もあるので、ぜひ来てください」と話している。
18日は前日祭。午後2時半から「伝統芸能まつり」で古来からの伝統芸能を奉納する祝祭、4時半から「音楽と舞踊の夕べ」で音楽や映像・舞踊が織りなす幻想空間ライブが行われる。
19日の当日祭は、午前9時45分から世界をつなぐ各国の舞台発表や来年の紀の国わかやま国体にちなみ、スポーツで国際交流する各国参加型運動会「まくにんピック」を企画。スペシャルメッセージとして「インドからのメッセージ」を予定している。
この他、世界の食や地区住民の飲食を合わせた30ブース以上が出店。「真国の荘」では「まくに美術展」が開かれる。問い合わせは同校(℡073・497・0749)へ。