海南市文化協会(花畑重靖会長)の秋季遊宴会が4日、琴ノ浦温山荘園で開かれ、約100人の地域住民らが参加。地元発展に寄与した木村平右衛門翁(1881~1953)の生誕133年(61回忌)を記念し、業績をたたえて遺徳をしのんだ。
第8回「郷土に尽くした先覚功労者顕彰~海南市発展と教育・防災の祖」として8代目・木村平右衛門を顕彰した。
木村平右衛門翁は明治14年に有田郡広村(現・広川町)、8代目・濱口吉右衛門の7男として生まれ、32年に海草郡内海村(現・海南市)で、1600年ごろから商いを営む木村家の養嗣子となった。実業家として39年に木国合名会社を設立し、44年に九州水力電気㈱を長兄の濱口吉右衛門と創立。以来、明治から昭和にかけて内海町地先への約5万坪の埋め立て、日高川水力電気といった数多くの事業や会社を手掛けた。
また、「稲むらの火」で知られる濱口儀兵衛(梧陵)ら濱口の家系に育ち、昭和21年の昭和南海地震・津波の際には内海地区住民の救済に尽力。この他、資金の寄付による教育や文化振興に貢献している。
遊宴会には、ひ孫で木村実業㈱代表取締役の11代目・木村平右衛門さんらが東京から出席。花畑会長、来賓の神出政巳海南市長、鶴保庸介参議院議員があいさつし、同協会の笠松俊博さんが業績を紹介した。
記念撮影の後、記念邦楽演奏として会員が「海南音頭」「つつてん踊り・近江八景」を披露。続く民謡、演歌、舞踊で参加者は楽しいひとときを過ごした。