関西独立リーグ2013・紀州レンジャーズと兵庫ブルーサンダーズの前期8回戦が15日夜、 紀三井寺公園野球場で行われ、 紀州が9回、 2死満塁から蘆田(あしだ)の右前適時打で劇的なサヨナラ勝ちを飾った。 藤野、 栃谷とつなぎ力投する投手陣に応え、 最終回打線も奮起。 代打藤崎の左前打を足掛かりに好機を広げ、 主砲・蘆田の1打で接戦を制した。 紀州は通算8勝4敗1分けで首位をがっちりキープした。
◇前期8回戦
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
兵庫ブルーサンダーズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
紀州レンジャーズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 |
紀州がゲーム差0・5でリードし、迎えた兵庫との首位攻防戦は前半、紀州藤野、兵庫・濱田 (俊)両先発の息詰まる投手戦が繰り広げられ、 5回までともにスコアボードには零行進となった。
6回、 1死3塁から内野の野選で1点を先制された紀州は7回、 1死1、 2塁から2塁走者の崔智浩が3盗、 慌てた相手捕手の暴投を誘い、 一気に本塁を駆け抜け同点とした。 最終回、 代打攻勢に出た紀州は、 1死から藤崎が左前打、 原田四球の後、 内之倉が右前に運び満塁と攻めた。 島袋の内野ゴロで、 生還できず2死となったが、 ここで蘆田が、 相手投手の初球を、 鮮やかに右前へ放ち、 うれしいサヨナラ勝ちを決めた。
チームにとって、 サヨナラ勝ちはこれまでにもあるが、 サヨナラ打での勝利は今回が初めてで、 メモリアル打となった蘆田には、 チームメートから水攻撃の手荒い祝福が贈られ、 スタンドのファンからの声援や拍手も一段と大きく、 ともにドラマチックな勝利を味わっていた。
ずぶぬれになったヒーローの蘆田翔永選手は 「これまで、 あまり打てなかったので、 打てて良かった。 打席に入るとき、 ここは打つしかないとストレートに絞って狙っていた。 チームは投手陣の頑張りもあり、 いい感じで試合を戦っている。 これからも首位をしっかり守りたい」 と笑顔の中にも闘志があふれていた。