和歌山市立有功小学校5年生の久野歩名(くの・あゆな)さん(11)が、バレエのコンクールで相次いで1位に輝いている。先月、和歌山市民会館で開かれた「第4回わかやま全国バレエコンクール」(実行委員会主催、本紙など後援)の小学生部門と、愛媛県松山市で開かれた「第61回NAMUEクラシックバレエコンクール」小学校高学年部門をともに制する快挙。「うれしい気持ちでいっぱい。将来は吉田都さんみたいな、世界の舞台で活躍できるダンサーになりたい」と大きな瞳を輝かせている。
わかやまバレエコンクールには全国から約270人が出場。久野さんはバレエシューズ部門も含めた小学生約130人の頂点に立った。
昨年、初めて参加した前回の同コンクールでは、県内在住者の中で最も得点が高い出場者に贈られる「わかやま賞」に輝いている。今回の2つの結果を合わせると、これまで出場した全てのコンクールで結果を残したことになる。
今回選んだ作品は、ドン・キホーテの夢の中のシーンを表現したドルシネアのバリエーション。予選は緊張し過ぎて5位だったが、気持ちを切り替えて挑んだ決選では「自分ができることを精いっぱい出し切れた」とにっこり。美しい姿勢や動作、リズム感など、しっかりと基本を押さえている点が高く評価された。
バレエは、母親の友美さん(36)の勧めで小学校1年生から習い始めた。現在は和歌山市湊のバレエスタジオ・ティアラで、週に4回のレッスンに励んでおり、指導する同スタジオの野村光春代表(47)も「不器用ながら素直な心で、こつこつと練習する生徒。今後の頑張り次第でより高いレベルを目指せる」と期待する。
目標は世界的に活躍するバレリーナの吉田都さん。以前、吉田さんがインタビューで語った「120%の努力が自分を支えている」という言葉に感動。指の先や足の先まで洗練された表現にあこがれるという。
久野さんは「バレエが大好き。これからも、美しくて、見た人が感動するような踊りができるように頑張りたい」と笑顔いっぱいに話している。