和歌山東署は9日、和歌山市在住の女性(81)が、現金3300万円を宅配便で送り、だまし取られる架空請求(特殊詐欺)詐欺が発生したと発表した。県警は「レターパック」「ゆうパック」「宅配便」で現金を要求するのは全て詐欺の手口として注意を呼び掛けている。
同署によると、ことし8月中旬ごろ、女性宅に野村證券の「トヨタ」を名乗る男から電話があり、「あなたには小林製薬の株を買う権利がある。株を買う枠を譲ってほしい」と全く身に覚えがないことを頼まれた。その後、小林製薬の「タナカ」を名乗る男から、「名義を他人に貸して株を購入することは犯罪です」とし、「トラブルを解消するにはお金が必要になり、送ってもらいますが、後日、必ずお返しします」と送金を要求されたという。その後も、金融庁の下請けの者と名乗る男から「あなたの財産を調べさせてもらう」と不安を煽る電話もあったという。
女性はそれらを信じ、指定された東京都内の住所に、3回に分けて宅配便の小包で発送したという。送金の後に、小林製薬経理部の「モリタ」を名乗る男から、「9月8日に全額返すので、心配いりません」などと言われていたが、期日になっても返金がなく、詐欺だと気付き、9日になり県警に届け出た。