和歌山市和歌浦西の紀州東照宮の例大祭 「和歌祭」 が12日、和歌山市の和歌浦地区であった。 祭りの大きな見せ場 「神輿(みこし)おろし」では、男衆が勇ましく108段の石段を駆け下り、威勢の良い掛け声が響いた。 華やかな衣装をまとった行列が一帯を練り歩き、 約2万人が時代絵巻を楽しんだ。
同祭は、 初代紀州藩主徳川頼宣が父・家康の霊を慰めるため1622年に始めた。
「神輿おろし」 は、 重さ1・3㌧の大みこしを約160人の男衆が担ぎ、 東照宮本殿から続く108段の石段を駆け下りる神事。 「チョーサー、 チョーサー」 と威勢のいい掛け声とともに下り、 見物客からは大きな歓声が上がった。
行列渡御は東照宮を出発し、 和歌浦漁港から万葉館、 あしべ通りまでの約4㌔を列をなして歩いた。薙刀振(なぎなたふり)や子供連尺、餅搗踊(もちつきおどり)など、華やかな時代衣装をまとった900人が演舞を披露すると、 沿道に詰め掛けた人たちから拍手が送られていた。
ことしは 「唐船」 の船屋台の骨組みが新調されるなど、 衣装や道具に修復が加えられた演目もあった。
初めて来たという同市毛見の前芳美さん(59)知里さん(24)親子は 「御輿おろしは、 担ぐ人も勇ましくてかっこよかった。 今回、 見物にいい場所がだいたい分かったので、 次は、 もっとよい所から見たいですね」 と笑顔で話していた。