8月も半ばを過ぎ、子どもたちの夏休みも残すところ2週間。この夏最後の思い出と自由研究の宿題づくりに、ぜひお勧めしたい旅がある。
和歌山県が新しい旅の形として提案している「ほんまもん体験」だ。ほんまもん体験では、体験を通じて地域の自然、歴史や文化、伝統産業などの魅力に触れてもらう体験型観光を推進し、自然観察、スポーツ、生活文化、地域産業、農林漁業、歴史文化の6ジャンル、350を超える体験が用意されている。
生活文化体験のひとつ、「備長炭風鈴づくり体験(田辺市)」を筆者も体験してみた。あらかじめ切り揃えられた備長炭と、備長炭の原木であるウバメガシを使った台座、短冊などの作成キットが準備されており、スタッフの方の指導を受けながら作っていく。備長炭の形やつりひもの長さなど微妙な調整で風鈴の音色が変わるところがポイント。備長炭の歴史や製造工程、芸術や地域の文化など、スタッフの方とのコミュニケーションを通じて備長炭への理解を深められることも魅力。約1時間で世界に一つしかない、備長炭発祥の地・和歌山ならではの風鈴が出来上がる。
備長炭風鈴づくり体験は、田辺市秋津川の「道の駅紀州備長炭記念公園」内の施設「すみ工房」で、最少2人から最大40人まで体験でき、料金は1人1500円。作った風鈴は専用のケースに入れ、持ち帰れる。対象は小学生以上。
この体験は、ほんまもん体験のラインアップの一つに過ぎず、他にも県内各市町村でさまざまな体験が多数用意されている。詳しくは和歌山県観光連盟のウェブサイトから調べられる。観光地巡りや海水浴に加え、その地域ならではの体験をすることで、記憶に残る有意義な旅になるはず。県内在住の皆さまにもお勧めしたい。
(次田尚弘/和歌山)