長年にわたり地域医療に貢献したとして、 伊藤内科 (和歌山市岡山丁) の伊藤周平院長 (86) が県内で初めて、 日本臨床内科医会の 「地域医療功労賞」 を受賞した。 同会が平成20年度から毎年1回実施している5回目の表彰で、 県医師会内科医会が推薦していた。 ことしは全国で12人が同賞に選ばれている。
伊藤院長は昭和26年に京都府立医科大学を卒業し、 同44年に現在の伊藤内科を開業。 同46年から平成13年までは学校医として和歌山信愛女子短期大学と付属校に従事した。
昭和47年から平成17年までは保護司として32年間、 保護観察中の対象者の医療相談を受け、 更生保護協会理事として更生保護活動に貢献。 昭和60年から平成22年には日本臨床内科医会理事として県内で同会の普及に努めた。
開業当時、 県内で普及していなかった救急医療 「心肺蘇生法」 と 「甲状腺・内分泌」 の医療を充実させたいと力を注いだ。 平成12年に市医師会内科部会に 「心肺蘇生法普及会」 を設置し、 県立医科大学とともに各種団体、 育友会らを対象に心肺蘇生法の普及活動をしている。 同14年から患者を対象に甲状腺・内分泌疾患に関する講話を年2回実施している。
また医療だけでなく、 地域活性化を図るために和歌山バイオサイエンス連絡協議会会長として、 県の果実加工と疫学調査にも取り組んでいる。
開業から44年間、 和歌山で医療、 保健活動に携わり、 「まだまだ地域で存分な医療はできていない。 今後も頑張っていきたい」 と力を込めた。
先月、 東京で開かれた第30回日本臨床内科医会総会で表彰を受けた。
=表彰状を手に伊藤院長