7月5日の「国際協同組合デー」を記念した講演会が2日、和歌山市美園町の県JAビルで開かれた。県協同組合組織連絡会(中家徹会長)が主催で、組合関係者など約200人が参加した。
講師は、宮城県気仙沼市で牡蠣の養殖業を営む傍ら、漁師が森で植林するNPO法人「森は海の恋人」の畠山重篤代表(71)。畠山代表は、海の食物連鎖に関して、「宮城県の名産のカツオが成長するには、イワシを食べ、イワシは動物プランクトンを食べ、動物プランクトンは植物プランクトンを食べ、植物プランクトンは、森から流れてくる栄養を吸収して成長する」と、海と森が密接に関わっていることを解説。これまでの学問では、海洋学や山林学など縦割りの状態が発展性を生まない欠点があると指摘して、同連絡会が漁業、森林、農業、生活の各協同組合から組織されていることから「4つの分野がつながることは大きな意味がある」と活動に期待を寄せた。
その他、東日本大震災後の牡蠣養殖の復活が、避難生活を送る被災者を勇気づけたことなども紹介された。橋本市から参加した中谷憲治さん(69)は「世界が見えないところでつながっていることを感じました」と話していた。