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由良浅次郎が没後50年 合成染料国産化

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 合成染料の国産化に成功した和歌山市出身の先人・由良浅次郎(1878~1964)の没後50年記念事業(実行委主催)が6月28日、浅次郎とゆかりの深い同市冬野の雲城山「正教寺」(藤浪明信住職)で行われ、約70人の同寺総代や地元住民が参列した。浅次郎の孫、由良禎造さん(80)も訪れ、祖父の人柄や思い出を語った。

 浅次郎は合成染料の主原料である「アニリン」を国内で初めて製造し、染料業界の発展に貢献した他、県立和歌山工業学校(現・県立和歌山工業高校)の整備に協力するなど人材育成に尽力。物資不足、資産凍結などの問題が相次いだ戦後、私財を投じて正教寺の本堂を再建した。

 禎造さんは現在、浅次郎が大正6年に設立した由良染料㈱を継承するワイ・エス・ケー㈱(大阪市)の取締役会長。講演では、「祖父は非常に厳格な人だった」と人柄を紹介し、「国のためにと、女性社会の進出や技術者を育てることに力を入れていた」と、県立文教高等女学校や県立和歌山工業学校の設立に寄付などで協力し、地域教育の振興に熱心だったと話した。

 開会セレモニーでは、山縣好希実行委員長(㈱興和冠婚葬祭互育会代表取締役)が「世の中を変革してきた先人のDNAを受け継いでいくのが使命。これからの正教寺を見守ってください」とあいさつ。その後、同寺に多大に貢献したとして、浅次郎をはじめ、再建後初めての総代でことし25回忌を迎える故・髭白長四郎氏ら8人に感謝状を贈った。

 総代を代表して、長四郎氏の孫の夫、秀男さん(63)があいさつした他、大橋建一市長も駆け付け、偉業をたたえた。


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