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気球製作所120周年 山田猪三郎が創業

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 国産飛行船の初飛行に成功し、日本航空界に大きな影響を与えた先覚者、和歌山市出身の山田猪三郎(やまだ・いさぶろう、1863―1913)が起こした㈱気球製作所(東京都大田区、豊間清代表取締役)は今月、創業120周年を迎えた。「世の中の役に立つものをつくる」という猪三郎の精神は脈々と受け継がれ、現在も世界の気象観測などを支え続けている。〔写真は同社提供〕

 同社は、猪三郎が明治27年(1894)6月、東京・高輪で救命浮き輪の製造を開始したのが始まり。

 大正4年(1915)には、係留した気球を使った空中広告(アドバルーンの元祖)を考案し実用化。同9年(1920)からは、気象観測用ゴム気球を製作し、中央気象台(現・気象庁)に納入するようになり、現在も同庁、防衛省、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などを主な納入先としている。最新の技術と長年の経験を基に開発した高性能ゴム気球「コスモプレン」は、広く世界各国の気象機関で活用されている。

 豊間代表(62)は「曽祖父も創業時は自分の会社が1世紀以上も続くとは思っていなかったと思います。皆さま方に支えられ、これまで会社を続けて来られたと思うと、感謝に堪えません。猪三郎の精神を肝に銘じ、天気予報には欠かせない気球の製造を通じて少しでも社会のお役に立てるよう、製造責任をしっかり果たしていきたい」と話している。


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