語り部として和歌山市の魅力を発信している観光ガイド和歌山の松浦光次郎さん(49)=同市吉礼=が、観光名所の一つ「友ヶ島」にスポットを当てた書籍『紀淡海峡に浮かぶ「友ヶ島」』を出版した。四季折々の島の豊かな自然や歴史資産などを、豊富な写真と共にたっぷりと紹介している。
友ヶ島は瀬戸内海国立公園に浮かぶ自然豊かな島であるとともに、明治から終戦まで軍事要塞として使用された歴史から、砲台跡など旧日本軍の施設が数多く残されている。
平成9年から語り部として活動している松浦さんは、友ヶ島に魅せられ、14年ごろから本格的に島通いを開始。約100回の渡航を通して見聞きし、学んだ知識や写真を凝縮したのが、フルカラー218㌻の今回の書籍となっている。
内容は、加太港を出発するところから始まり、島を巡るコースの順に、沿道で見られる植物や動物、史跡、施設などが登場し、読むだけでもガイド付きハイキングを味わえる。今の時期に楽しめる植物では、第一砲台付近に見られるウラシマソウ、菜の花に似た花のイワタイゲキなどがある。
軍事要塞時代に島で軍務に従事した人から松浦さんが聞き取った貴重な体験談も収録。修験道の祖・役小角(えんのおづの)と島の関わりについても記され、なかなか見ることができない夜の友ケ島灯台の写真なども掲載されている。
松浦さんは「四季折々の自然や貴重な歴史資産を持つ友ヶ島の素晴らしさを次の世代に伝えたくて本を書きました。特に若い人に読んでもらいたいですね」と話している。
定価2000円(税別)。宮脇書店和歌山店(同市広瀬中ノ丁)で販売中。
講演会を開催
ハイキングも
出版を記念し、松浦さんの講演会「友ヶ島の魅力を語る」が5月23日午後7時から、同店で開かれる。
申し込み不要。参加自由。
5月25日には、友ヶ島の名所を松浦さんが案内するハイキングを開催。午前10時半に友ヶ島汽船加太港乗船場に集合する。午後5時終了予定。昼食と飲み物、懐中電灯を持参する。乗船代2000円が必要。
申し込みは9日までに松浦さん(℡090・3351・9059)へ。定員20人(先着順)。