10日からブルガリアで開催されるAIBA世界ユースボクシング選手権大会に、紀の川市の貴志川高校3年、村田昴君(17・真正ジム)=岩出市西国分=がライトフライ級日本代表として出場する。先月の第25回全国高校ボクシング選抜大会同級では県勢で初めての優勝を飾った。7日からは日本ボクシング連盟が開く合宿に参加し、自身初挑戦の世界戦に向けて調整を行っている。
村田君は幼稚園の頃から空手を始め、全国大会で優勝するほどの実力者だった。ボクシングを始めたのは、中学校を卒業する前。長谷川穂積選手の試合を生で観戦した際に「かっこいい」と刺激を受け、ボクシングの道を選んだ。
同校にはボクシング部がなく、普段は家の近くの倉庫で父・昌也さん(46)の指導を受けながら練習している。神戸のジムに通うのは2カ月に1回程度。2人ともボクシングは初心者だが、ジムで学んだ知識や技術を反復して練習し、二人三脚で力を付けてきた。その他、兵庫県の香風高校や和歌山工業高校の練習にも参加し、技術の習得に励んでいる。
村田君はサウスポー。足を使ったアウトボクシングを展開する。持ち味は空手で培った打たれ強さだ。公式戦21試合を戦い、ダウンを奪われたことはまだ一度もない。小、中学生の頃にはジュニア駅伝に計3回出場した経歴を持ち、毎日15㌔のランニングでさらに磨きをかけたスタミナにも自信を覗かせる。
選抜大会でも持ち前の足を使ったボクシングで相手を翻弄(ほんろう)し、決勝では九州学院高校の山内将大君に2―1の判定勝ち。大会のMVPにも選ばれた。
村田君は「日本代表に選ばれてうれしい。世界戦の相手はみんな強いと思うけど、できるだけいい結果を残せるように頑張りたい」と意気込んでいる。