県立高校再編整備第2期(前期)により本年度で閉校する、和歌山市園部の県立紀伊コスモス支援学校園部分校(田中資則校長)で18日、閉校式が行われた。13日に卒業した生徒を含む在校生64人は、来年度から小学部から高等部まで一貫した同市西庄の県立和歌山さくら支援学校の生徒として学校生活を送る。
同分校は昭和36年に有功ヶ丘学園内で市立有功小と紀伊中の特殊学級として開設。同50年に紀北養護学校の有功ヶ丘学園分校として県立移管し、平成20年に現在の学校名に変更した。
県立移管以降、300人以上が中等部を巣立った。この日は特殊学級開設から53年、県立移管から39年の歴史に感謝を込めて、小・中学部の生徒が歌などを発表した。
体育館には30年近く交流を続けてきた鳴滝小の児童と制作したちぎり絵の作品や、小・中学部が共同制作した銅版作品がずらり。式には西下博通県教育長をはじめ、元校長や地元住民らが出席した。
在校生を前に、田中校長が「歴史に幕を閉じるのは寂しいが、ここからが始まり。学校で過ごした楽しい思い出を詰め込んで、新しい学校で元気に、力強く羽ばたいて」とあいさつ。
発表では、小学部児童がにぎやかな音頭や手話を交えた歌。中学部の生徒は背中に「夢」とプリントされた法被をまとい、力強く太鼓を演奏した。
同分校最後の生徒会長となった亀井直希君(14)は「みんなと思い出が作れたことに感謝します。園部分校に来て、努力すること、友情の大切さを学びました」と話していた。
24日の終業式をもって、同分校の全学習活動は終了する。