子どもの交通事故を少しでも減らしたいとの思いから、飛び出し注意看板の製作をボランティアで続けている男性がいる。和歌山市湊の田中洋一さん(74)=和歌山北地域交通安全活動推進幹事=は、20年前から看板を製作。これまでに子どもや高齢者用の看板300枚ほどを製作し、まちなかに設置してきた。
先月、通学路の交通量が多い貴志南小学校(民部正信校長)を訪れ、和歌山北署の署員と製作した約20枚の看板を周辺危険箇所に設置して回った。この日、校長室で行われた看板の贈呈式には1年生4人も参加し、田中さんが「看板見つけたら車が来る危ない場所だから気を付けてね」と声を掛けた。民部校長(60)は「看板を設置することで、地域の人たちにも危険箇所を認識してもらい、地域で子どもを守るという意識付けにつながります」と感謝した。
田中さんは、元建具職人。木工の腕には自信があったが、看板製作は当初苦労が多かったという。電動ノコギリは、ベニヤが割れてしまうため使わない。角がある看板は危険なので丸くするなど試行錯誤の連続だった。今では、他地区からも製作の依頼が来るなど、広範囲での交通安全啓発に寄与している。
交通指導員としても40年活動している田中さんは「地道な取り組みを続けて、少しでもまちの交通安全に役立てたい」とし「他の地域でも依頼があれば、できる範囲で看板製作に協力したい」と話している。製作依頼は田中さん(℡073・453・7393)。