和歌山市は5日、平成22年1月から26年1月までに、源泉所得税の徴収漏れが87件、総額2844万6638円あったと発表した。延滞税など約264万円が発生する見込みで、市が負担する。
源泉所得税は、自治体が個人事業主に報酬を支払う際に徴収し、税務署に納める仕組み。全国で徴収漏れが発生し、市は和歌山税務署の行政指導を受け、時効に至っていない過去4年分を点検した。
市によると、徴収漏れは建築士による建物調査や土地家屋調査士による地籍調査の報酬の支払いなど30課が担当したケース、23人に対する計87件で発生。事業所名から源泉徴収の必要がない法人と誤認したことなどが原因としている。
市は対象の個人事業主に対し、源泉所得税分の市への返還と、同額の還付手続きを税務署で行うよう求める。個人事業主に新たな金銭負担は生じない。徴収漏れ分は市が3月末をめどに納付する。
市は「あってはならないミスで事業主や市民にご迷惑をかけた」と陳謝し、源泉徴収制度の研修や会計事務のチェック体制の強化などにより、再発防止に努めるとしている。