空洞化した中心市街地の活性化を目指し、和歌山市が市民参加のセミナー、ワークショップを経てまとめた提言「2030わかやま構想」の報告会が24日、市役所で開かれ、日常生活の機能が集積した「コンパクトシティ」を目指すなどのアイデアに約150人が聞き入った。
平成24年6~12月に行われたセミナーとワークショップの講師を務めた㈱タフ・コーポレーション社長の藤後幸生さんと同社スタッフが、構想の策定の経過、内容などを報告した。
同構想では、2030年に「コンパクトシティに暮らす新和歌山人」を実現するため、改革のエンジンとして市民による「まちづくり会社」を設立し、キャッシュフロー(お金の流れ)を生ませることが重要と提案。収益を次のまちづくり施策に使う流れができれば、将来的には路線価が上がり、固定資産税が上がり、行政サービスが向上し、住みやすいまちにすることが可能としている。
具体的なアイデアとして、小中一貫校設置後に空き施設となる伏虎中学校を地域活動の拠点とし、一年を通してイベントを作っていくことや、けやき大通りをバス、自転車、人が動く道にし、アクセス向上により、まちなか商業の需要を増やすことなどが提案されている。
報告会では、ワークショップに参加した市民の代表から、構想に込めた思いや実現への呼び掛けの発表もあった。
藤後さんは、再生すべきゾーンとして市民の意見が一致したけやき大通り周辺を「体幹」に見立て、作り替えていく必要があると強調。「まちの再生にはとても時間がかかるが、このままでは地方の未来はない。〝おらがまち〟は自分たちで変えるしかない」と話した。